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Amazon FBA ラベル PDF の追記作業を Python で自動化した話(Mac/Windows 対応)

Amazon FBA 納品前の商品ラベル PDF に「Made in China」を一括追記する Python 自作ツールを実装。毎週 25分の反復作業を 5分に短縮した設計判断・非対応範囲・失敗しない別名保存の考え方を公開。

Amazon FBA で商品を納品する時、商品ラベル PDF の右横に「Made in China」の文字を追記する作業がある。1商品なら数秒だが、毎週数十件を処理していると 25分近くかかる。同じ位置に同じ文字を入れるだけの単純作業で、集中力の使いどころではない。

これを Python で自動化して、Mac 版と Windows 版のスタンドアロンアプリとしてビルドした実装ログを共有する。

そもそもの問題

FBA 納品前のラベル作業は、こういう流れで進む。

  1. Amazon セラーセントラルから商品ラベル PDF をダウンロード
  2. PDF を Preview や Acrobat で開く
  3. 「新品」表記の右横に「Made in China」を手入力
  4. 保存
  5. これを商品数だけ繰り返す

10商品なら 10回、30商品なら 30回。1件2分でも 20〜60分になる。

しかも人力なので、以下のミスが常につきまとう。

  • 入力位置がズレる
  • 別 PDF に上書き保存してしまう
  • 「Made in China」を「Made in Japan」と typo する
  • そもそも追記を忘れる

毎回同じ作業で、毎回同じミスの可能性を抱える。自動化する価値は明確だった。

作ったツールの要件

以下を要件にした。

  • 元 PDF を絶対に上書きしない_labeled.pdf として別名保存)
  • 複数 PDF を選択して一括処理
  • 追記文言は「Made in China」以外にもGUI から変更可能
  • Mac / Windows 両方で動く(Python 未インストール環境でも起動可能)
  • インターネット接続不要(ローカルで完結)

「あらゆる Amazon 業務を自動化する万能ツール」を作るのではなく、毎週の追記作業だけを短縮する専用ツール に絞ったのがポイント。範囲を絞ることで、ユーザー側の学習コストもゼロに近い。

設計上の判断

1. 別名保存を強制する

これが最重要の設計判断。

input.pdf  →  input_labeled.pdf を同じフォルダに生成
              (元の input.pdf はそのまま残る)

同じフォルダに _labeled サフィックス付きで並べる。これで、うっかり間違って上書きしても元データが失われない。

「元 PDF を上書きするかしないか」をユーザーの選択に委ねる設計にすると、いつか事故が起きる。選択肢を用意しないこと自体が安全設計

2. 追記位置は座標指定

Amazon FBA の商品ラベル PDF は、決まったフォーマットで「新品」表記が右上にある。ここに対して固定オフセット(右方向に一定 pt)で「Made in China」を描画する。

PDF テンプレートが変わったら追記位置もズレるが、Amazon 側のフォーマット変更は稀なので、当面は座標指定で十分と判断した。フォーマット変更に対応する場合は、テキスト抽出で「新品」の位置を動的に取得する版に切り替える予定。

3. GUI をつけた(CLI で終わらせなかった)

技術者ならコマンドライン版で十分だが、想定ユーザーは非エンジニアの Amazon セラー。Python の実行環境を要求しない、ダブルクリックで起動する GUI アプリにビルドした。

  • Mac: .app にバンドル
  • Windows: .exe にビルド

どちらも Python 本体のインストール不要で単体動作する。

4. 「できないこと」も明示する

商品説明で「できないこと」を明示するのは、返品/クレーム回避の意味でも重要。以下は非対応と決めた。

  • FNSKU ごとに個別の文言を出し分ける(全ラベル共通のみ)
  • 法人向けライセンス管理
  • Google スプレッドシート連携
  • Amazon 業務全般の自動化

「できます」を増やすほど、実装コストと保証責任が増える。対応範囲を狭く保つこと自体がプロダクト設計

得られた時間

導入前後で計測した結果:

| 項目 | Before | After | |---|---:|---:| | 1回あたりの所要時間 | 約25分 | 約5分 | | 週1回 × 4週 | 100分 | 20分 | | 月あたりの回収時間 | — | 約80分 |

月80分を、出品・仕入れ・顧客対応に戻せる。これが本ツールの実質価値。

使い方(3ステップ)

  1. アプリを起動する
  2. 処理したい PDF を選択 + 追記文言を入力
  3. 「処理開始」→ 元 PDF と同じフォルダに _labeled.pdf が生成される

コマンドライン知識は不要。ファイルを選ぶだけ。

サポート範囲

  • 使い方ガイド同梱
  • 購入後 30日間の初期不具合サポート(メール対応)
  • 特殊な PDF フォーマットは個別確認

販売

先行30本の買い切り価格(¥9,800)で販売中。Mac 版 / Windows 版どちらも同価格。

「うちの業務にも同じような自動化を」という方へ

Amazon FBA 以外の業務でも、「毎回同じ手作業を繰り返している」ものはたいてい Python で自動化できる。ただし、対象業務のフォーマットや操作フローを正確に把握しないと、汎用ツールを作っても現場で使えないものになりがち。

「うちの業務ではこういう手順を毎週やっている」を細部まで共有してもらえれば、専用ツールとして設計・実装します。

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